早稲田大学で開催されたXP祭り2014において、妖怪セッションを行った(XP祭り2014:H-4 アジャイルコミュニケーションプログラム1:コミュニケーションの妖怪を召喚であります!~コミュニケーションの問題を妖怪に見立てて解決を探るワークショップ~【ワークショップ】)。 参加してくださった方から評価いただき、ほっとしている。 その妖怪セッション(1)を支えた技術について簡単に紹介したい。
パターンとパターンランゲージ
いわゆるパターンやパターンランゲージは、過去の成功体験を記述している。 たとえば、レビューの方法や考えを広める方法、学習の方法からソフトウェア開発プラクティスなど、様々な工夫や方法がパターンとしてまとめられている。 そのため、成功体験におけるパターン作りは、解決策(工夫)から、問題や文脈を発見することが多い。 パタンの書き方 – はじめてのパタン執筆者のためのラフなガイド | 合同会社カルチャーワークスを用い、Agile Japan 2013 でのプレゼンテーション資料であるパターンライティングワークショップ AgileJapan 2013に作り方が記述されている。
(フューチャー)パターンとプロジェクトランゲージ
プロジェクトランゲージは、その人やそのプロジェクトにおける固有なランゲージ(言語)を、パターンという器を用いて構築する。 そのため、過去の成功体験だけではなく、その環境や文脈固有の現象からモデル化し、パターンを作り出す。 それらのパターンは、可能性のある解決策の集合を持つものの、まだ仮説の域を出ない。 そのため、成功体験を記述した熟成されたパターンと区別するために未来のパターン(Pattern for the future) と名付けた (Motohashi et al. 2013)。 このプロジェクトランゲージは、過去の成功体験であるパターンと、問題解決手法を伴うフューチャー・パターンの両方を用いて構築できる。 プロジェクトランゲージについての概論は、ソフトウェアパターン−時を超えるソフトウェアの道−:4.これからの みんなのことば,みんなのかたち−パターンランゲージからプロジェクトランゲージへ−情報学広場:情報処理学会電子図書館にある。 プロジェクトランゲージは、環境固有であるため、他の環境では役に立たない。
過去の成功体験のパターンと、未来を記述するためのパターンについてのプロセスの違いについては、パターンライティングワークショップ AgileJapan 2013のスライド36を参照にしてほしい。
妖怪セッションでは
パターンの機能のひとつは、ある現象を枠組み(フレーム)を通じて捉えることだ。 その機能を用いて、枠組みを外す(リフレーミング)ための器としてパターンは使える。 妖怪セッションでは、このプロジェクトランゲージやフューチャーパターンを用いて枠組み外し(リフレーミング)を行った。
そのテンプレートは、2013年5月8日にクリエイティブコモンズライセンスで公開しているパタンキャンバス(エッセンシャル版)のテンプレート | 合同会社カルチャーワークス をベースにした。
もうひとつ深層には関連する大切な技術があるのだけれど、それはいつか…。
妖怪セッション(2)を支えた技術についてはAgile Communication Programの記事で紹介している。
では、楽しい妖怪探しを!