メタ認知や抽象的思考を鍛える ふたつのゲーム
このところ抱えていた問題について、背景にある根本的な原因がわからなかった。数ヶ月前に、その原因が抽象的思考のレベルであることに気がづいて、あらゆることが腑に落ちた。奇しくも、数日前に知ったメタ認知や抽象的思考ができない人が心がけ実践すべき3つの事柄: DESIGN IT! w/LOVEと似ている内容で、とても共感した(リンク先は2009年11月21日の記事ですが、知ったのは数日前ということです)。
目の前にある状況から骨子を抜き出し、それをモデルとして示すことは、実生活でも役に立つ。「自分で考え、自分で答えを出す」ために、このような抽象化思考と、それを具象化する能力は、とても重要だ。
さて、上記のブログで紹介されている「思考を文章や図にしてまとめるクセをつける」や「あきらめずにむずかしい本を読む」をという内容をブレークダウンしてみた。思いついたゲームのうち手軽にできる二つを紹介する。あくまでゲームなので、正解はない。楽しんでやってほしい。
要約ゲーム
複数人で、同じ文章に対して、要約が妥当かどうか比較する。
- みんなで同じ文章を読み、要約する文章を書く。
- 最初は、段落からはじめ、節や章まで、本一冊まで、難易度を上げることができる。
- 140文字で要約する、論文のアブストラクトを使わない、のような制約があると面白い。
- なぜ、その要約になったのかをそれぞれ説明する。
- 挙手などによって選ばれた的確な要約に拍手を送る。
読書会にも応用でき、一冊の本で、章ごとに別々の人が要約し、時間や手間ひまの短縮にもなる。
- 一冊の本を選ぶ。
- 担当する章を選び、担当者はその章を要約してくる。
- その要約をベースに議論する。
- 要約の妥当性を議論する。
- 自分たちのところで、どのように役立つか、とか自分たちに置き換えて議論する。
- 最後に、本全体の要約をみんなで作る。
的確な要約は、自分の宝や財産のように感じる。試してみてほしい。
「ふたつのニュース」
このゲームは、目についたニュースを使って、ひとりで行う。
新聞や雑誌でもニュースウェブページでもよいのでニュースふたつを開いてみよう。同じジャンルにあるニュースが比較的容易だ。以下の例は、47NEWS(よんななニュース)のヘッドラインにあった記事だ。
バンコク警察占拠へ集結か タイでデモ続く 【バンコク共同】タイのインラック政権打倒を訴える反政府デモ隊は3日、バンコク警察本部の占拠に向けて集結する見通しだ。デモを主導する野党民主党のステープ元副首相は2日夜、全デモ隊を動員して首相府に近いバンコク警察本部の占拠を目指す考えを表明。警官隊との衝突になる可能性が高まっている。
海洋安保で主導的役割 中国けん制、毅然対応 政府が、外交・安全保障政策の包括的な指針として初めて策定する「国家安全保障戦略」最終案が2日、判明した。10月下旬に公表された概要に加え、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺海空域での進出を念頭に「開かれ安定した海洋の維持・発展に向け、主導的な役割を発揮」すると明記。「現状変更の試みには冷静かつ毅然として対応」するとして、中国へのけん制をより強く打ち出したのが特徴だ。
共通する単語を抜き出してみる。共通する単語がないときは、共通する意味や背景を持つ単語を探してみる。文を作りたいので、主語と述語があると良い。多少の違和感や飛躍、ブレがあったときは、それをメモしておこう。
- 「警察」と「海洋安保」 → 政府の治安組織
- 「反政府デモ隊」と「中国」 → 反対勢力
- 「警官隊との衝突になる可能性が高まっている」と「けん制をより強く打ち出した」→ 衝突圧力が高まっている。
- 共通する単語を使って、文章を作ってみる。
- 「政府の治安組織と反対勢力との間で衝突圧力が高まっている。」
- 作られた文章が、元の文章と関連しているか確認してみる。
関係なさそうニュースを持ってくると、難易度があがる。
簡単なゲームを二つ紹介したが、会話や仕事など鍛える場所はたくさんある。ぜひとも楽しみながら実践してほしい。