ある仕事に着任しました。まずは何からはじめましょうか。そんな迷ったときは「守破離(しゅはり)」に沿って行動すると迷いが少なくなります。検索してみると「守破離」には、いろいろな解釈があるようです。はてなキーワードに掲載されている「守破離」を引用します。
「守破離とは、能楽を確立した世阿弥の教えで、最初は基本を忠実に守り、次にそれを応用、最後は型から離れるというプロの成長過程を表すもの」
「守」ひたすら学ぶ
最初は前任者や周りの人のやり方をとりあえず実施してみましょう。いろいろなことを考えたり、聞きかじったりしたことでいろいろ試したくなってきます。しかし、最初はぐっと我慢して、そのまま実施しましょう。
本来の茶道や禅では作法を学びつくすのにたくさん時間をかけるのでしょうし、トラブルの渦中であれば、そんな余裕はないかもしれません。私が今の立場になったとき、二ヶ月は「守」の時期だと考えて、周りをじっくり見てじっくりと学びました。率直なところ、もっと時間がほしかったのですが、実はトラブルが多発いたこともあり、状況的に二ヶ月が精一杯だと考えました。次の「破」トラブルが大量に発生する本質的な理由を探っていった時期でもあります。
師匠やメンター
メンターや師匠にあたる人を見つけられるかどうか、という点は重要です。ふたつの考え方があって、ひとつは、いわゆる師匠を見つけることになります。もうひとつは誰でも学ぶべき点がある、ということです。ひとりひとりを観察したり、話を聞いていると、いろいろな点で共感でき学ぶことができます。
私自身の性格もあるのかもしれませんが、自分の職場ではいわゆるメンターや師匠に当たる人に出会うことはできませんでしたので、周りの人から少しずつ学ぶ方法をとりました。また、本質的な考え方については、書籍やブログなどから学びました。この話題は、また別の機会に取り上げたいと思います。
「破」応用、全体を見る
応用の時期とも書かれていますね。そのまま従っていると、何を目的としているのかが、理解できてきます。全体の流れが少しずつ見えてきます。その中で、ほんの少しだけ変えてみることをしています。たとえば、事務作業(はんこ)が多いので、簡単なスクリプトを書いてみて自動化してみる、省略できるところはスキップして本来的な部分に時間を避けるようにする、などです。
時期も二ヶ月行いました。
「離」独立
上記の方法を参考にして、自分独自の方法を確立していきました。前任者を含め今の職場で多くの人が考える管理手法とは別の方向に進んでいきました。その後は、周りの力を受けて継続して改善を進めていっています。
守破離の適用範囲
新しい環境になった場合や、いろいろなものを身に着ける場合は「守破離」を使うと、便利です。新しいテクノロジや概念を学ぶときや、スキーやトライアスロンのスポーツも守破離のプロセスを踏むと道筋を立てるのが楽になり、迷いも少なくなります。
スキーやランニングも、まずはコーチの言うことをそのまま聞いて実施し、理由を考えたり背景を知り、自分独自の形を作り上げていけるでしょう。システム開発も同じように、指示通りに書いて、応用して、自分の形を作れます。
ビジネスを立ち上げるときも守破離のプロセスでも考えられます。自分のほしいものだったりを考えたり、困っている事を感じたりして、次に学んだことを少し応用して、自分独自のサービスを提供する、などのようにいろいろなところに適用できます。
そんな感じで「守破離」というプロセスは使えますよ、という話でした。