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子どもは叱って強く育てるのか,褒めて伸ばすのか,子育ての心がけ(欺瞞と正直)

Title: 子どもは叱って強く育てるのか,褒めて伸ばすのか,子育ての心がけ(欺瞞と正直) Date: 2017/12/07

丁寧に書くと本一冊分になりそうなんだけれど,できる限り簡潔に書きたい.

叱って強く育てるか,褒めて伸ばす

「子どもを叱って強く育てる」 という考え方もあれば,「子どもは褒めて伸ばす」 という考え方もある.

「叱って強く育てる」 は,若干オールドファッションのようだが,根強く残っている.世の中はつらく厳しいことがあるので,それに対抗するためには厳しく接する練習も必要であろう.

ある例では,子どもに対して厳しく叱っている.たとえば,親に対する敬語がなっていない,用意に時間がかかってしまった,食べた量が少なかった…いろいろ叱るものがあるんだなぁ,と感心しまうほどだ.その結果,その子どもは,話を聞いて意味を理解する能力を損ない(=聞き流す能力は高まり),殻に閉じこもってしまいがちだ.

「褒めて伸ばす」 ことの大切さが,いろいろなところで主張されている.叱ったり怒ったりせず,子どもの良いところを伸ばしていく.確かに子どもは集中して自分の得意なところを伸ばすことができるだろう.

ある例では,子どもに対して褒めて伸ばすことを徹底している.望ましくない言動があっても,決して叱らない.たとえば,自分自身の親に対して「ろくでなし」と言ったり,相手を馬鹿にするような言動を続けても,決してしからない.その代わり「○○ちゃんは,よくないことがわかるよね(猫なで声)」と諭すだけであった.むろん,ちょっとの良いことを見つけては褒めまくっていた.その子は,いろいろな大人に対して傍若無人にふるまう一方,つまらなそうにしていることが多い.

褒めて伸ばすことと,叱って強く育てることのどちらにも無理がある

どちらも,親は自分の望むよう恣意的に接していて,相手と自分の状態がわからないため,すこやかな成長が難しい.適切な成長とは,自分の感じたことを大切にし,状況に応じた妥当な判断と学びができることである.

  1. 親は,自分の望むように子どもを操作しようとしている
  2. 親は,子どもが何を感じているのかを観察していないため,わかりにくい.
  3. 親は,感情や気持ちに結びついていない表現になる

その結果,子どもからは,以下のようにとらえられる.

  1. 子どもは,親の本当の気持ちや感情がわからない
  2. 子どもは,親がどのように感じ,どのように困難に対処しているのか学べない
  3. 子どもは,自分の感じたことを正直に表現しにくい

つまり,対等な個人間の健全な相互コミュニケーションが成立できない問題があり,適切な学びと成長に結びつかない.

子育ては正直さの心がけが大切である

それゆえ,できる限り正直に伝えることを心がける. 子ども自身の言動に対して感じたことを正直に伝えるように心がける.そのため,子どもからは,親が何を感じているのかよくわかるだろうし,もしわからないときは正直に聞くことができる.

ここでは,一般的に言われている通り,正直さとは,自分の気持ちや感じたことに嘘や偽りのないこと,隠し立てがないことを示す.むろん,完全な正直さを意味するのではなく,正直でいようとする態度を示している.

親自身の経験や学びも話す. 子どもに対して感じたことに加え,親自身がかっこ悪いときも失敗したときも正直に話している.そして,どのように心がけているか,どのような作戦を立てているのか,このようにしたけれどダメだった,もしくは上手くいった,のように正直に話す.すべてのことを話すことは時間的にも無理があろうが,思いついたレベルで話し合っている.

正直に話すためには,それ相応の自信とそれを裏付ける経験が必要である. ただ,子どもを育てる覚悟を決めた以上,いいところだけでなく,悪いところも含めて子どもに感じてもらう.

正直に話せるよう健康的な状態を心がけ,お天道様に恥ずかしくない生き方を目指していく. 親自身がダークサイドに落ちている/疲れているなど親が不健康な状態であると,子どもにそのように接することになる.相手を見下し傷つけ優越感に浸ることを目的に,正直に言うことは不健康な状態である.体を動かす睡眠を十分にとるなど,健康的な状態を心がけることになる.

その結果,子どもとの健全なコミュニケーションが成立していく. むろん,自分自身の矛盾は,自分自身では気づきにくいが,子どもからの正常なフィードバックにより,その矛盾に気がつくのである.子どもも親も共に学び,すくすくと成長できるようになるだろう.

正直さと適用

成長段階に応じて,正直さを大切にした場合の典型的な適用した場合は,どのようになるのだろうか.1

子どもが赤ん坊であるときは弱々しく,守り育てたいと感じることが多い.このような時に,守りたい育てたいと,褒めるようなコニュニケーションが多くなる.むろん,このような時期にしんどい感情になったときは,それ相応の相談をし,支援を受けていくことになるだろう.

だんだん成長するにつれ,生意気な態度を持ち「いらっ」「むかっ」と感じることも増えてくるのは,自我が育つ大切な過程である.親が,このように「いらっ」「むかっ」と怒りを感じた時に,良いところを探して無理に褒めたらどうなるだろうか.子どもは,怒られているのか褒められているのか区別がつかなくなり,適切に学び,すこやかに成長することにはならない.子どもにとって,このような矛盾し混乱した状況は何よりもしんどい.あくまで家族が健康的な生活を心がけた上で「いらっ」「むかっ」としたことを正直に伝え,学んで成長する.

このように相手の存在と状態を認めた上で「自分がどのように感じるのか」を大切にして,健全なコミュニケーションを実現しながら,子どもだけでなく親も一緒に成長していきたい.

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  1. 2017年12月11日 Facebookで成長段階についてのコメントをいただいたので参考にして追記した.ありがたや.

コミュニティからフレンドシップへ

Title: コミュニティからフレンドシップへ Date: November 22, 2017

要約

コミュニティとは,一般的に関心(興味,問題意識,目的や制約)を共にする人たちの集まりである.コミュニティには流動性の問題があり,募集と参加の障壁,時間と関心の障壁によって引き起こされる.

これらの問題を解消するためにフレンドシップ(友人関係)へシフトすることを提案する.関心に着目したコミュニティではなく,どのような人と関係するのかに着目するフレンドシップの重点が増していく.フレンドシップとは,友達や仲間であり,なんとなく一緒にいる,一緒に遊ぶ,一緒に取り組む関係性である.フレンドシップは,コミュニティに比べ関心が限定されない ゆるやかな関係性のことである.フレンドシップを通じて,コミュニティやプロジェクトを立ち上げる.

ゆるやかな中長期的な関係性を維持するフレンドシップによって,関心に左右されにくくなり,募集と参加,時間と関心の障壁が弱まる.フレンドシップを楽しもう.

はじめに

自分の参加しているコミュニティに若い人が来ない,という嘆きをSNSで読んだ.どうも同じ人ばかりが参加しているようだ.いろいろなテーマ設定にしても,参加するのはいつも同じような人ばかりらしい.

若い人と書くからには,それなりの年配なんだろうか.言われてみれば,年上ばかりの人たちで構成された,すでに仲の良いコミュニティがあったとすれば,そこに参加するためには少しばかりの勇気が必要だ.関心(興味,問題意識,目的や制約)が違えば,無理に入る必要もないだろう.そもそもコミュニティと,その利点はなんだろう.

ここでは,1.コミュニティの流動性と,2.これからのコミュニティについてちょっと考えてみたので,肩の力を抜いてエッセーを楽しんでいただけたらな,と願っている.

コミュニティとは

コミュニティとは,一般的に関心(興味,問題意識,目的や制約)を共にする人たちの集まりである. たとえば,地域のお祭りや商店街のコミュニティもあるだろう.ITに関する分野には,方法論や技術について議論するコミュニティや,指定された本や資料を読書して話し合うコミュニティもある.研究においても,コミュニティが形成されることが多い.ここでは,主に勉強会や読書会のような定期的に開催されるコミュニティを想定している.

コミュニティと自立

普段,仕事や家庭だけでのように人間関係が限定される状況はあり,窮屈に感じてことはある.そのような時に,仕事場や家庭以外のコミュニティに参加することは新たな人間関係を作り出す機会を得られる.出会いや仕事の機会を増やせる期待もあり,コミュニティは新たな依存先を増やすことを支援する.つまり 「自立は、依存先を増やすこと」1であるためコミュニティに参加することによって自立するお手伝いができる.

コミュニティの留意点

コミュニティは,目的や価値を実現するために作られ,同じ関心(興味,問題意識,目的や制約)を持つ人たちが集まる.同じ関心を持つ人たちが集まると,それを守ろうとする規範意識が強くなる.その強まった規範意識は,目的を達成する一方で,守るための意識が強くなる.

この規範意識を守ることは,正義感や優越感などの感情や差別意識を持つことが多い.それらの感情や意識を持って人々に接することは快感でもある.その正義感を持ったことが,いじめや排除の問題が発生する原因になる.

つまり,コミュニティ活動は,家族や勤務先以外の依存先を増やす自立をうながす.しかし,コミュニティ自身の関係性に絡め取られ,依存先を減らす自立を損ねる留意点がある.そのためにも流動性の問題は,コミュニティ維持におけるポイントとなる.

流動性の問題

問題は,老若男女に関係なく新しいメンバーが入らないことのようだ.流動性がないと,いつも同じメンバーが集まっているため,議論に発展性がなく,つまらなくなってしまうのかもしれない.

コミュニティに人が集まらない理由をゆるく考えてみた:

募集の問題とお誘い

そのコミュニティについて知らない,十分に伝わっていない可能性がある.たとえば,きなこもち研究を行うコミュニティがあったとしても,十分に告知されていなければ参加しない.

もし,そのコミュニティで扱っているテーマや価値が期待されなければ,参加できないジレンマがある.「きなこもち」を知らなければ,その研究会に入らないし,知っていたとしても日々の生活で十分である.

昔ながらの方法は,長老や有力者から声をかける,断れない状況でお誘いする,という方法がある.たとえば「もうそろそろ君はきなこもちの研鑽する時期ではないか」みたいな声がけで始まる.しかし,参加するメリットがなければ「うぜー」「めんどー」みたいな反応が多いかもしれない.結局のところ,人が人を呼ぶ形になって,いろいろな人が集まっていくような形態になっていくのだろう.

参加の障壁と未知のジレンマ

すでにコミュニティがあって,そこに新たに参加することに障壁を感じる人はいる.私自身も,他のコミュニティに初めて参加する時に,少しの勇気がいる.「気楽に参加してよ」って言われても,なんとなくコミュニティの雰囲気や文化などが,自分にふさわしいかどうか参加してみないとわからない.胡散臭さ(うさんくささ)やインチキっぽい雰囲気を感じると,より参加が遠のく.

そもそも,勉強会のようなコミュニティの場合,参加する前に,そのコミュニティの関心について参加者はわからない.十分にわかっていれば参加する必要がないだろうし,価値がわからず知らなければ参加することもない.

コミュニティ運営側は,透明性や安全性を広く告知すると共に,その内容について知らせなくてはならない.しかしながら,知らない人に関心を持っていただく関係で,そのコミュニティの成果や効果にわかりやすく伝える必要がある.わかりやすく関心を持ってもらうために「いろいろな問題を解決できます」「深い味わいを楽しむことができます」のように大げさに伝えがちである.

その結果,過大広告のようになってしまい,胡散臭さ(うさんくささ)やインチキっぽい雰囲気に繋がり,初めての参加への躊躇へとつながってしまう.

コミュニティ活動と仕事と家庭と優先順位

生活や仕事とのワークバランスの大切さが言われている.働き方改革のような言葉もよく耳にする.そのような中で業務時間から大きく超過するような時間や手間をコミュニティに使うことに躊躇する人は多いかもしれない.

コミュニティと仕事との優先順位もある.コミュニティ活動が業務に直結する場合もある.たとえば,営業やフリーランスの場合はコミュニティは貴重な営業の機会となる.学習と出会いによって将来の機会を広げられるかもしれない.しかしながら,そのような直接的なつながりが明らかではない場合は,コミュニティ活動より,限られた時間を独学や業務に使うことになる.そのためコミュニティに参加する主体性や社交性などの機会を満足させるためにコミュニティに参加することになる.

コミュニティと家庭との優先順位もある.たとえば,勉強会のようなコミュニティ活動は平日夜や土日休日に開催されることが多い.しかしながら,子どもを含めた家族が帰宅し,一緒に過ごせる時間と重なっている.掃除や洗濯のような作業ではなく,いろいろ話し一緒に泣き一緒に笑う,ような時間を共有することに価値を置いているため,家族との時間は替えがきかない.つまり,コミュニティ活動できるのは,それに効果を感じつつ,かつ業務や家庭と調整可能な人たちだろう.

関心の問題と独立したコミュニティ

いろいろな情報があふれ,それが大量に飛び込んでくるなかで様々な関心を持っている.その人それぞれの関心が異なっている.ましてや,年代が違えば,その関心や問題意識も違う.

基本的に関心が異なれば,違うコミュニティに参加する.地域コミュニティも,主に自分に関係した地域や主体的に参画できるコミュニティに参加する.自分の興味や関心と異なったコミュニティでは,有意義な参加にはならない.

つまり,それぞれ独立したコミュニティを持つことがよいだろう.たとえば,地域コミュニティでも「青年部」「婦人部」のように分離することもあっただろう.きなこもちが好きな人もいれば,磯部やからみもちが好きな人もいる.このように別々の独立したコミュニティによって,それぞれが意味のある活動が可能になる.

それぞれの複数のコミュニティが独立し,その上でそれぞれが交流できればよいのではないか.きなこもち,いそべもち,からみもち,あんころもちの関心を持つ人が,それぞれ別々のコミュニティに属するのは自然であろう.

コミュニティのこれから

コミュニティのメリットと留意点を考え,これからどのように変化していくのかをゆるく考えた:

フレッドシップへ

このように,コミュニティとは,それぞれの関心に伴って作られるものであった.しかしながら,依存先を減らしてしまう可能性も示唆された.それぞれの興味関心を持っているのは当然のことであるし,複数のコミュニティが生成されつつも,これらのコミュニティには,流動性と自立の良さと留意点があった.

それゆえ,関心(興味,問題意識,目的や制約)に着目したコミュニティではなく,どのような人と関係するのかに着目するフレンドシップの重点が増していく.フレンドシップとは,友達や仲間であり,なんとなく一緒にいる,一緒に遊ぶ,一緒に取り組む関係性である.フレンドシップは,コミュニティに比べ関心と目的が限定されない ゆるやかな関係性のことである.

フレンドシップは,以下のような特徴を持つ:

  1. 固定化された関心(興味,問題意識,目的や制約)を持たず,流動的で複数の関心を持つ
  2. 相互に観察と理解を前提とし,コミュニケーションを保ちながら,ゆるやかな関係性を維持する
  3. フレンドシップの中から,一時的な関心と興味をベースとしたコミュニティ(場合によってはプロジェクトやチーム)を立ち上げる

複数であやふやな関心を持つ長期的な関係であるため,状況の変化と,関心の変化を許容する.それぞれのコミュニケーションを保ちながら,関係性を継続する.その中で,短期もしくは中長期的な関心をベースとしたコミュニティやプロジェクトを立ち上げる2. フレンドシップを維持しながら,いくつかのコミュニティやプロジェクトを変遷しながらも関係性を維持する.

フレンドシップがゆるめるもの

フレンドシップは,コミュニティの問題をある程度は緩和できる:

  • 募集の問題 については,中長期的な関係性を前提とするため,新たな募集についての必要性が薄れてくる.SNSや地域などのやりとりを通じ,機会を得る.ただし,フレンドシップのネットワークから あぶれてしまう人たちもいるため,マッチングや機会の提供などのビジネスや行政支援などが大切になってくるだろう.
  • 参加と未知のジレンマ については,関心の流動性から知らなかったことについて,フレンドシップを通じて通常の情報交換として解消する.
  • 仕事と家庭との優先順位 については,似たような生活パターンになっている時に繋がることができる.逆に,中学時代の友人と定年後に遊ぶように数十年もフレンドシップを続けながら,数年に渡って全く対面しないようなスタイルをも許容する.

今まで,情報社会が発展していなかったため,同じ場所や同じ目的に応じて集まる必要があった.LINEやFacebookInstagramのようにSNSを通じ,世界中の人たちが関係するようになってきたため,同じことを前提とする必要がなくなった.変化に富んだ自由な関係性の中で,お互いの興味や関心を共有し続けることで変化や多様性に対応する.

このような関係性を実現し維持するための前提は,尊敬や謙虚,信頼に基づいたコミュニケーションである.遊びの中で勝敗はあれど,立場はあくまで対等でマウンティングや上下の関係は弱く否定される.SNSや役割に応じた性格として認識されており,さらに多様性は増す.

コミュニティも,異なった関心や話題を持っていても,ほぼ同じ人が参加していると聞くため,すでにフレンドシップ主体になっているのではないだろうか.「若い人」もすでにある既存の友人関係で十分に事足りているのかもしれない.もし新たな関係性を見つけたいときはコミュニティに参加する,もしくはコミュニティを立ち上げるのも選択肢の一つである.

おわりに

論語には「君子は和して同ぜず,小人は同じて和せず 3」とある.和とは,それぞれが異なっており,和音を奏でるような様である.たとえば,先の例に用いれば,きなこもち,いそべもち,からみもち,あんころもちの好きなものを尊重し,それぞれ食べればいいのではないか.

いままで人間の歴史を通じてフレンドシップは尊重され大切にされてきた.ますますフレンドシップは,大切になってくるのだろう.

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私自身,友人に恵まれ助けられてきた.感謝してもし尽くせないほどである.これからもよろしくお願いします.また私の至らぬことで友人を辞められたかもしれない,どうかお許しください.そして,まだつながっていない場合は,ゆるくつながっていきましょう.

そんなこんなで,ゆるゆると すこやかに参りましょう.


  1. 綾屋 紗月 熊谷 晋一郎『つながりの作法 同じでもなく 違うでもなく (生活人新書)』

  2. ここでのプロジェクトとは,短期的な成果を実現するための時間と領域限定のつながりであり,コミュニティに比べより厳格な関係性を維持する.

  3. 金谷 治訳注 の 論語 (岩波文庫 青202-1)

試験勉強や受験勉強についてのメモ

Title: 試験勉強や受験勉強についてのメモ Date: 2017/11/18

はじめに

私は受験勉強や試験勉強をしなかった(試験勉強のフリはある).ただ小学生のとき,図書室の本をほぼすべて読み尽くした.本を読むのと同じように楽しんで教科書や参考書を読んだだけで,試験や受験のために点を取るための勉強に興味がなかった.

しかし,この方法は,子どもを含め他の人には あまり効率的ではないようだ.試験勉強や受験勉強をどのように指導するのかよくわからず困っていた.

そこで,小学生の中高学年を対象とした勉強について この週末に話し合ったことをメモした. これから必要に応じてアップデートしていきたい.また,小学以上の中学生や高校生などの勉強についても,ある程度は参考になると期待している.

ここでは,実体験に基づく幅広い学びではなく,狭い意味での一般的な教育課程で学ぶことを勉強とした.なお,子どもへの説明時はすべて図や具体例を使って説明している.

動機(きっかけ)

  1. なぜ試験を受けるのかを考える
  2. 中間目標として試験や受験を考える
  3. 何を勉強するのか(参考:10年後や20年後でも通用することを学ぶ)
  4. 中間目標に至る道筋を考える(どのように勉強をするのか・何をしないのか)

方針(作戦)

勉強するための方針

  1. 勉強 = 効率(質) × 時間
    • 同じ効率であれば,長い時間である方が有利.
    • まずは時間の確保が必須.一週間の予定を明らかにして,どれだけ勉強できるのか調べよう
    • 最初は時間を確保し,その中で効率を上げる方法を検討していく.
    • 効率をどのようにあげるのかを,常に検討しながら進む
    • 何をやるのかで増やすのではなく,何をやらないのかで減らすことを検討する
  2. 継続
    • 最後まで諦めない 人が勝利を手にする.「諦めたらそこで試合終了」
    • 継続は力なり たんたんと習慣にしていこう

問題を解く流れと勉強する流れ

  • 問題を解く流れ
    1. 問題を読む
    2. 問題を理解する
    3. 方針/作戦を考える
    4. 問題を解く
    5. 確かめる
  • 勉強する流れ(カリキュラムの構成)
    1. 解く上での前提となる知識を学ぶ
    2. 問題を解く方法を学ぶ
    3. 方針/作戦を考える方法を学ぶ
    4. 何が問題になるのかを学ぶ
    5. これが次のステップの前提となる.

基本と応用

  • 基本がしっかりしていないと,それ以降の発展が難しくなるため,まずは徹底的に基本を身につける.
  • 基本とは,足し算と掛け算を比べると,基本となっている足し算のことを示す.
  • 基本を身につけるためには,繰り返しの練習が必要
  • 応用問題を解いた後も,基本ができているかを確認する

勉強方法(効率/質)

  • 基礎
    • 算数/数学でも基礎が重要になってくる
    • 基礎ができていないと,応用問題が解けないので,徹底的にやろう
    • 毎朝,時間を決めて計算問題や漢字など,基礎となる箇所を徹底的に学ぼう
  • 論理 :主に数学/算数,理科の考える科目
    1. 習っていることの関係性や構造(論理)を丁寧に理解する
    2. その論理を使って問題を解く
    3. 整理してわかりやすく解くため途中式をキレイに書く
    4. 論理立てて考えるため途中の式をスキップしない(最初のうちは式を飛ばさない)
    5. 間違えたところについて,論理の理解を深め,適用を修正する
    6. 論理の範囲(使えない問題は何か)を知る
    7. (ここで,論理とは ことばとことばの関係性を意味し,関係づけて考えることを論理的な思考と呼ぶ.ただし,論理的な思考は国語を含めた他の教科でも学べる)
  • 理解 :社会・理科・漢字
    1. その出来事や文字が作られた背景や意味を想像しながら覚える(たとえば「関ヶ原の戦いでの裏切り」,漢字「和」の由来などを含めて)
    2. その出来事について議論してみる(自分だったらどうしよう)
  • 読解 :国語
    • 問題文の要約を一緒にやる
  • 記憶 :社会・理科
    1. 何を覚えるのかを決める(要点チェック/プリント)
    2. 解答や教科書を見ながら,ていねいに正解を書く
    3. 正解を見ながら,丸ごと覚える
    4. 覚えた内容をノートに何回か練習する
    5. ただし,暗記すると考えることが減るため,できる限り暗記しない
  • ノート
    • 理解したことをていねいに書く(練習が必要)
    • ポイントを押さえて書く(練習が必要)
    • 空白を作って書く(たとえば,左半分は空白にするなど)

方法

勉強方法(時間)

  • 計画
    • 全体の計画を立てる
    • 一ヶ月の計画を立てる
    • 一週間/一日の計画を立てる
    • 計画は目安なので,あまり気にしすぎない
    • 息抜きも忘れずに
  • 実施方法
    • 一週間の計画を作る
    • やりたいことのチェックリストを作り,それに従ってやる
    • 実際にできたことをベースにチェックリストを更新する

試験前の一週間(一ヶ月間)

  1. 難しい問題を解かず,基本問題を繰り返す
  2. 自分の使っている教科書/問題集を決めて,他の教科書や問題集に手を広げすぎない
  3. 基本に忠実.基本を守る.
  4. 悩んだ時は,質問する/話す

試験やテスト

試験直前に

  1. 用意するもの
    • いつものカバンにする(カバンを変えると忘れ物が増える)
    • 鉛筆をきちんと削り,消しゴムもキレイにする
    • 壊れたり落としても大丈夫なように,二つ以上用意する(例:消しゴムは二つ,定規は二つ,鉛筆は10本など)
    • 温度調整できる服装にする
    • マスクを用意して自衛する
  2. リラックスする
    • 横になり伸びをする,肩の力を抜く(手足と体をぶらぶら),
    • 目をつぶり,深呼吸する

試験中に

  1. 問題を開けた時に
    • 全体を見て,点が取れそうなところを考え,そこから着手する
    • 速度の問題の時はカブトムシを書くなど,大切なルールを確認する
  2. 読む:問題を正しく理解するために(問題理解)
    • 線を引きながら問題を読む
    • 図の問題は,求めるところに印をつける
    • 何を求めているのか(時間なのか,速度なのか,単位は何か?)
    • 図示する(グラフ,線分図,表など)
    • 図の問題は,印をつける.
  3. 作戦:作戦を立てるために
    • 問題が正しく読めれば,作戦は立てられる
    • どの作戦がふさわしいかを確認する
    • 解答を見て,論理の違いを理解する(解答が,最も良い作戦かは別)
  4. 間違えないために(算数/数学)
    • 計算を始める前に,作戦が正しいのかを確認する
    • 式の順番を(かっこ)でくくる
    • 式をキレイに書く,途中の式をスキップしない(いきなり式を飛ばさない)
    • 数字や式の途中に うつし間違いがないかを確認する
    • できるだけ検算する(一番最後にやってもよい)

試験後に

  • 分析と対策
    • どこをどのように間違えたのか確認する
    • 間違えたポイントを修正する方法/対策を考える
    • 間違えたところを何度も解き直す
  • 復習を大切に
    • 学んだことは熟成の期間が必要である
    • なんどもなんども同じ問題を解く
    • 学んだところを,翌日,三日後,一週間後,一ヶ月後に見直す

おわりに

なぜ勉強するのだろうか.なぜ世界中の多くの国には,子どもたちへの教育を大切にしているのだろうか.今,勉強していることは未来に役立つだろうか.

先生や親から言われたから勉強しているのか.勉強はつまらないことか.

なぜ生きるのだろうか.なぜ苦しいのだろうか.

今までの人たちも同じように苦しみ,もがき,そして楽しんで生きてきた.そのなかで少しずつ進んできた.これから僕たちはどのような一歩を踏み出せるだろうか楽しんでいきたい.

参考図書・関係記事

参考図書

関係記事

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追記

書き忘れたことなど

  • 2017年11月26日:基礎や基本が大切なのにも関わらず,あまり強調されていなかったので,その部分を追記し強調しました.徹底するぐらい,徹底して基礎や基本を鍛えましょう.

ウソツキのアンパンマンはウソツキか(ウソツキクラブのアンパンマン7)自己言及のパラドックス

このところ盛り上がった話題である.

ここで紹介されているアンパンマンはウソばかりついている.そのためか,アンパンマンはいつもウソツキだと言われ,ちょっと困ったようだ.そこで,子どもたちに聞いてみた…

アンパンマンは「僕はウソツキだ」と言った.さて,アンパンマンは,本当のことを言っているか,ウソを言っているか,と質問した.

  1. 子ども1は「アンパンマンはウソを言っている」と答えた.

    僕はウソツキだ」と言ったことがウソということだから.アンパンマンウソツキではない ってことだね.

  2. 子ども2は「アンパンマンは本当のことを言っている」と答えた.

    アンパンマンは,本当のことを言っているからウソツキではない ってことだね.

つまり,ウソツキクラブのアンパンマンはウソツキではない ということが説明された.

なんどか同じやり取りをした後,「あーっ,そーゆーことね」と腑に落ちたようだ.

このパラドックスをいかにやぶるのか,それが宿題である.


古来から「自己言及のパラドックス」とか「クレタ人のパラドックス」のように言われている種類のものだ.どのように破ってくるのか楽しみなのである.

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アンパンマンはみんなの味方だ. おなかを減らした友達を助けるときは,自分の顔を傷つける. 今回もアンパンマンに助けてもらった. ありがとう,アンパンマン

なぜ子どもは勉強できなくなるのか

子どもを育ている上で留意したいポイントをメモしておく.この文章は,特に目新しいことはないし,むろん想定通りになんかならない.

基本を学ぶこと

人生,学力だけではないし,学校で学ぶことだけでもない.地域社会や友人,家族など,様々な機会からも学べる.親は子どもに義務教育を受けさせる義務はあるが,その内容を理解する/させる義務はないかもしれない.しかし,義務教育における割り算や分数,読解力は,日常生活や業務においても必要であることが多い.義務教育の内容は,おおよそ生きるために必要な糧になるといえよう.

たとえば,「牛丼屋」を経営するなら,お金儲けができるかを知るためには社会を使い,食材の安全性は理科を使い,お金の計算や仕入れについては算数を使い,お客さんや従業員とのやりとりは国語を使う.むろん,判断をするために道徳が基準になり健康な体を使う体育,料理するには家庭科と,あらゆる教科を活用できる.これらの道具を使いこなし,さらに新しい道具を生みだしながら,気持ちを形にして生きてほしい.つらいこともあるけれど,なにより楽しいことだし,自由を獲得する手段のひとつでもある.

今後も内容や方法は議論されていくとはいえ,「教育」は大切なことだと世界中の多くの国が考えている.自分の子どもには「天才」にならなくても,せめて基本的な教育として義務教育の内容は身につけてほしいと願っている.

義務教育で学べていない子どもたち

そのような義務教育における学力低下について話をよく聞く.一方,平均的な学力低下についての賛否両論の意見があり,どちらが正しいかの意見は保留にしたい.他方,局所的な学力低下については,いくつか報告がある.

  • 「「教育困難大学」のあまりにもひどい授業風景 | 学校・受験 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準」の記事に 小学生レベルの知識が欠落している学生たち」が出てくる.小学生の学習が大きく欠落していれば,中学や高校における学習も困難になりやすい.

  • 東京都のすべての公立小・中学校は授業改善推進プランを公開をしている.学力調査の実施後「調査の結果報告書を作成し,結果の詳細や授業改善のポイント等を発信するとともに,東京都のすべての公立小・中学校が,調査結果から自校の課題を分析して「授業改善推進プラン」を作成し,授業改善を行っていく」ものである.

    近隣の小学校の状況は,このようになっているようだ1

    • A小学校の授業改善プランより

      • 6年生の国語> 文章全体の構成を考えて書こうとしているが、十分身に付いているとは言えない。学習した漢字を正確に読んだり書いたりして、文章の中で使うことが十分にできていない。
      • 6年生の算数>四則演算では わり算、分数の通分、約分を苦手としている児童が多い。 のように わり算や分数の計算が難しいようだ.
    • B小学校の授業改善プランより

      • 6年生の国語> 正しい鉛筆の持ち方ができない
      • 6年生の算数> 0のあるわり算の計算も定着が難しい。既習事項の定着が不十分なため、新しい単元にスムーズに入れない

    分数は2年生から段階的に学び,わり算は3年生で学ぶ内容が6年生になっても理解できていないことを示している.

    さらに,中学校の状況も見てみた

    • C中学校の授業改善推進プランより引用
      • 国語> 小学校低学年で修得するはずの漢字が書けなかったり、作文のルールが定着しておらず、正しく書けなかったりする生徒が見受けられる。
      • 算数> 小学校段階の基礎的な知識や技能の定着が不十分な生徒もいる。
    • D中学校の授業改善推進プランより引用
      • 国語> 語彙力が低く、長文を読むことに抵抗はある
      • 算数> 基礎的な学力不足から授業内容の理解が困難な状況がどの学年にも見られる。
      • 理科> 実体験の不足からか、現象をイメージできないことがある。

この地域の学力調査において,改善傾向にあるものの都道府県平均や全国平均を下回っている教科が多かった. 小学校低学年のつまづきが,そのまま中学から,その継続する高校や大学へ影響していることが想像できる.

小学校や中学校に通うだけでは義務教育の内容を十分に理解できない局所的な問題があることがわかる.

生活習慣と家庭学習への関心

学力調査および授業改善プランにおいて,生活習慣と家庭学習だけでなく,学校の授業についての調査および評価が含まれている.たとえば,アクティブラーニングの実施,ICTの活用,授業のめあて(ねらい・目標)の提示,家庭学習のサポート,研修や研究会に参加した成果の還元などが調査されている.さらに,公開授業(授業参観)の機会を通じて授業を評価し,学校長を含めてフィードバックや対話することは現実的ではある.

しかしながら,ある親として,実施可能性の観点が必要である.たとえば,いったん入学した公立小学校においてクラス替えや転校などの手段は,日常的に行われているように見受けられず,容易に実施可能とは言えない.また,第三者の授業の調査に基づいた改善活動は,教職員以上に専門的な知識や経験の必要性,個別の状況理解,現実的な先生への負担を鑑みて,ある親として実施する範疇を超える.そのため,すでに入学した小学校における授業は,おおよそにおいて与えられた状況として受け入れることが,ひとりの親として現実的である.

そのため,この記事は,授業の調査およびその改善については範疇とせず,ある親(私)として実施しやすい領域である生活環境と家庭学習に関心を持って記述する.

学力と関連する生活習慣

学力調査では生活習慣などのアンケート調査が行われている.結果と考察から学力との関係性が見出されている抜粋する(太字と下線は筆者).2

  • 生活習慣について
    • 朝食を毎日食べている」と回答した児童の平均正答率は、全ての教科で平均値を上回っている。
    • 家の人と学校での出来事について話をしている」と回答した児童の平均正答率は、全ての教科で平均値を上回っている。
    • 月-金曜日に、テレビゲームをしている時間が2時間以上の生徒の平均正答率は、全ての教科で平均値を下回っている
    • 月-金曜日に、テレビゲームを「全くしない」又はテレビゲームをしている時間が2時間以下の生徒の平均正答率は、全ての教科で平均値を上回っている。
    • 読書が好きである」と回答した生徒の平均正答率は、全ての教科で平均値を上回っている。
  • 規範意識
    • 「規則を守っている」意識のある児童の平均正答率は、全ての教科で平均値を上回っている。
    • 「規則を守っていない」という児童の平均正答率は、全ての教科で平均値より15p以上(中学では20p以上)下回っている
    • 「いじめはどんな理由があってもいけないことだと思いますか」の問いに対し、「当てはまらない」「どちらかといえば当てはまらない」と回答した児童は、全ての教科で平均値を下回っている
  • 学習に対する関心・意欲・態度
    • 家で、自分で計画を立てて勉強をしている」「どちらかといえば、している」と回答した生徒の平均正答率は、全ての教科で平均値を上回っている。
    • 家で、学校の宿題をしている」と回答した生徒の平均正答率は、全ての教科で平均値を上回っている。
  • テレビ鑑賞やテレビゲームについてのデータ
    • 「普段(月-金曜日)、1日当たりテレビやビデオ・DVDを見たり聞いたりするのに費やす時間は3時間以上である」と回答した児童の割合が32.8%。「4時間以上見たり聞いたりしている」と回答した児童の割合 は17.3%。
    • 「普段(月-金曜日)、1日当たりテレビゲーム(コンピュータゲーム、携帯式ゲーム含む)に費やす時間は3時間以上である」と回答した児童の割合は17.7%。「4時間以上している」と回答した児童の割合は9.8%。

この調査では,長時間(2時間以上)テレビゲームの時間を多さと学力低下の関係性,朝食と家族との会話が増やすことと学力向上との関係性があることがわかった.家での学習も計画を立て,宿題を行うことと学力の関係が示されている.

平日の1日4時間は,17時に帰宅すれば,就寝時間に近い21時までである.帰宅してから就寝まで,ほぼテレビかテレビゲームを行なっていることを意味している.長時間のテレビ鑑賞やテレビゲームは,学習時間を減らし,学習に対する意欲をも減らすのだろう.

心がけたいこと

先の調査では,テレビ鑑賞やゲームを少なくし,朝食を食べ家族との会話を増やすことが大切であることが示されていた.月並みな結果とはいえ,このような日々の習慣が,小学校や中学校の学力,ひいては大学や社会における学力に結びつくのだろう.むろん,大切なことは学力だけではない.しかし,義務教育の内容を知り,それについて考えることは,社会的な生活を歩むことを容易にするのではないだろうか.

金銭的な余裕があれば,通塾や家庭教師もひとつの選択肢かもしれない.学習する時間と習慣を身につけられる.親は,日々の日常で忙しいし,様々な事情もあるとは思うが,親と学校や宿題の話題にすることも忘れてはいけない.子どもと朝ごはんを食べ,会話するたびに,子どもの意見に新鮮な驚きをよく感じる.自分自身が学習したことのアップデートもできる.我々が「常識」と思っていることでも,よくよく考えてみれば不思議なことが多くある.なにより楽しい.

私自身,子どもを天才に育ていることを目的にしていないものの 5000人の天才児を45年間追跡してわかった、親が知るべき「8ヵ条」と「4つのポイント」 | クーリエ・ジャポンでは "「天才児を産むのは、遺伝子と環境の相互作用である」と主張。「生まれか育ちか」論争に意味はなく、親が適切な教育を施すことで子供の才能を伸ばすことができる" とある.遺伝子の操作は現実的に難しいことが多いが,できるなかで環境を作っていくことは可能ではないだろうか.

義務教育の内容を理解し,その理由や不思議を探究することも良い経験になるだろう.家では,テレビを消しゲームをお休みして,子どもとの時間を共有し,会話していくことを大切にしていきたい.このように心がけることによって,子どもの学びを支援し,子どもたちに少しでも自由に生きるための手段を身につけてほしい.そして,さまざまな経験や関係を通じて学び,それを,活用していく喜びを感じてほしい.

小学生の子と,これから小学生になる子へ.

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追記

  • 学校の授業について調査の必要性について指摘があり「生活習慣と家庭学習への関心」の章を追記しました(2017/09/21).ご指摘ありがとうございました.

  • 友人H氏による「学習や勉強,自己研鑽は,自由になるための手段である(文言は修正)」を本文に反映させた.ありがとうございました(2017/10/03).

  • 子どものとのやり取りを楽しんで成長する7つの心がけ - ari's worldにまとめてあります.


  1. 子どもたちの通っている学校へ配慮し,引用および抜粋の元資料の名前およびリンクは示さない.

  2. 子どもたちの通っている学校へ配慮し,引用および抜粋の元資料の名前およびリンクは示さない.

二分の一成人式の参観メモ

二分の一成人式の参観メモ

地元の公立小学校に通う自分の子どもの二分の一成人式を参観する機会を持った.二分の一成人式がどのような内容であったのかメモしておく.

参加した二分の一成人式の内容

私の子どもの二分の一成人式が開催されたので参観した,まずそれぞれの児童が発表を行い,次に代表児童とその保護者が前に立ち代表として感謝の意を表し,最後に児童全員で合唱した.自分の考えたテーマについて発表資料をプレゼンテーションソフトを用いており,力作ばかりであった.全体を通じて,私も含めて涙を流す参観者が多かった.

二分の一成人式では,子どもたちが主体的に決定し動いていた.式の司会進行も子どもたちが行なっていた.全体のテーマも子どもたちで考えたとのことである.担任の先生は,スライドの操作や合唱の指揮などの支援に徹していた.

  • 多様な生い立ちと目標・夢:子どもたちの発表は多様であり興味深かった.大きな病気や病気や取り組みや.未来の夢もいろいろであった.たとえば,未来の夢は「(YouTubeのコンテンツを制作し配信して収入を得る)ユーチューバー」と発表し,さらに「ユーチューバーが売れないときのため,会社員をやる」との話に現実を見ていると感心した.それぞれの過去や目標(夢)を語った.大きな怪我をしたこと,いろいろな国に住んだこと,夏休みはフランスの学校に行く児童や,モンゴルに行く児童など,多様な生き方を知ることができた.
  • 発表:発表については,電子黒板が導入されたこともあり,プレゼンテーションのスライドを作成するソフト(Microsoft PowerPoint)を用いていた.自分が気に入った写真を貼り付け,分かりやすい構成やデザインを考え,文章を考えていた.アニメーション機能を多用しすぎな感もあったものの,それは素晴らしいものであった.
  • 感謝の言葉:代表児童が,自分の親に対して感謝の言葉を述べた.さらに,それぞれの主だった発表内容については,自分の生い立ちやイベント,学校での経験,将来の夢や目標だった.そのため,児童の全員が親に対する感謝を強制されわけではなかった.むしろ,子どもたちや先生も,センシティブな状況にいる子どもたちについては,丁寧に取り扱っていることを感じた.
  • 参観者二分の一成人式の参観者,通常の授業参観より人数は多いものの,参加できなかった家庭もある.通常の授業参観と同じように,それぞれの家庭の状況や方針によって決定した.

それぞれの関心について丁寧に準備し,それを発表する会であった.特に,子どもたちはプレゼンテーションツール(パワーポイント)の資料を用意し,司会や挨拶,合唱などを通じて子どもの成長を楽しく参観した.

よかったこと

  • 子ども自身で,自身の10年をふりかえる機会:学校では,漢字や計算問題のように教科書や指導要綱をベースに授業を進めているため,自分自身について振り返る機会は多いとは言えないだろう.しかし,二分の一成人式では,小学校に入る前の生活や小学校に入ってからの生活について貴重な機会であろう.
  • 子ども自身で,自身の未来を考える機会:インターネットやテレビなどの環境に影響を受けているとはいえ,"ユーチューバー"のように自分ならでは未来像を考えていた.小学校では,文章を書く機会を増やしているとはいえ,自分の未来像を考える機会はそれほど多くはない.これから,中・高校という多感で,その後の人生に影響を与える大切な時期を迎える.この大切な時期を迎えるにあたり,自らの未来や夢を考える貴重な機会であろう.
  • 子ども自身の考えを発表し,他の子どもたちの考えを知る機会:今の子どもたちは,様々な環境で生きてきた.友達同士での会話や授業でのやりとりではわからない.過去に大きな病気や怪我をした児童,夏休みはフランスの学校やモンゴルに行く児童,お菓子職人を目指す児童など,他の児童の多様な経験や夢を知る貴重な機会であった.
  • 協力してことと準備することを経験する機会:このように子どもが自分自身の過去と未来について考え,自分たちの手で成功させるため数カ月もかけて準備していた.方針づくりや司会進行はクラスのみんなと相談し,合意形成することを経て経験できる.むろん,自分たちで取り組むように進めた担当の先生の指導や,その環境づくりの保護者や地域の関係者,他の先生たちの応援もあっただろう.二分の一成人式を成功させることも通じて,このように準備することや協力することも合わせて経験し,学ぶことができるだろう.

考慮すべきこと

ウェブの記事を見ている限り,配慮すべき事柄があるようだ.二分の一成人式において「プライベートへの配慮」と「公教育としての必要性」が主だった懸念点のようである.

プライベートへの配慮

考え直してほしい「2分の1成人式」――家族の多様化、被虐待児のケアに逆行する学校行事が大流行(内田良) - 個人 - Yahoo!ニュースには,このような記述があった.

2分の1成人式では,親への感謝の手紙は定番である。「お母さん,ありがとう」「お父さん,お仕事がんばって」とお決まりのセリフを,子どもたちは書くことになる。ここで何よりも問題なのは、「親は感謝されるほどに、子どもに尽くしているはず」という幻想が、式全体さらには学校教育全体を覆っているということである。

こちらでは,虐待されている子どもが感謝の気持ちを強制させることが問題提起されている.この指摘の通り,多様な児童と家庭環境があるため,その配慮は必要であろう.しかしながら,私の参観した授業において代表児童のみが感謝を述べるなど,すべての児童が感謝する必要がなかった.このような回避策や運用上の留意点について,議論や連携が進むことによって,問題が回避されることが期待される.

ただし,そもそも虐待や育児放棄は,大きな社会問題である.二分の一成人式における表現で回避したとしても本質的な解決には至らない.こちらは「親に感謝すべきかどうか」についての表現の問題ではなく,本来的な適切な親子関係や家族関係の議論を継続する必要があるのではなかろうか.

さらに「お決まりのセリフを書かせる」という教師については,子どもの持つ意見や気持ちの表現を支援する教育技術が不足だった可能性が考えられる.このような教育技術について,研究や実践が豊富であり,ワークショップや研修が容易な領域である.そのため,このような技術が不足している教師がいるのであれば,指導側の理由や状況の把握すると同時に教師への研修や指導を含めて学校や行政として対応する必要があるだろう.

むしろ子どもの虐待や教師の指導技術の問題を,二分の一成人式で配慮するだけの問題に矮小化してしまうのではないかと心配してしまう.むろん,二分の一成人式においても配慮すべき事柄はあるため,二分の一成人式を含む取り組むべき問題をしっかり見極めていきたい.

公教育で行うことかどうか

元小学校教員が挙げる、2分の1成人式を即刻やめるべき5つの理由 – トウマコの教育ブログには,”公教育は、様々な家庭状況や学習環境にある児童がいるなか、「学習のスタートラインを揃えること」で平等な学習の機会を与えるべきもの”として,公教育で行うべきではない,と主張している.

私自身は教育者ではないため公教育で行うべきことかどうかはわからないが,教育の範囲であるかどうかは,たとえば,教育基本法の第二条(教育の目標)から考えてみる:

二  個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。 三  正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。

二分の一成人式は,この教育基本法における教育の目標と合致する.具体的には,二分の一成人式は,教育基本法における「個人の価値の尊重して,その能力を伸ばす」「創造性を培う(つちかう)」「自主および自律の精神を養うこと」「主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」に即している.この二分の一成人式の目的を,親のためだけの行事であると置くことは,狭い範囲に規定し過ぎている感がある.児童自身が,自分の人生をふりかえり,夢や目標を確認する機会,発表する機会であるとも考えると十分な教育効果があると考えられる.

特に,「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」(参考:こう変わる!大学入試 ~2020年度からセンター試験に代わる試験を実施~|Kei-Netが重視されつつある時代において,児童の多様性や主体性,協働性にシフトすることは,当然の流れであろう.つまり,二分の一成人式を公教育で行う選択肢は十分に妥当であろう.

この二分の一成人式という授業を参観可能にするかは,地域連携や家族連携の大切さの中で行われることに,別段の違和感は覚えない.身内の不幸は,人間が生物であるかぎり,どの家庭でも必ず発生し直面する.どのように発生した不幸とつきあっていくのか,これからも引き続き大切な課題であろう.

おわりに

二分の一成人式は,9割が満足! 親子で感涙する「2分の1成人式」とは!?|ベネッセ教育情報サイトにあるとおり感動的なだけでなく教育効果が期待できる取り組みであると感じた.子どもたち自身で,このような式を運営し発表することに改めて感心した.

  1. 二分の一成人式に限らず,苦しむ子どもには配慮と取り組みが必要である.
  2. 親を喜ばす目的ではなく,それぞれの子どもが今までをふりかえり,目標を考える節目となる学習である.
  3. 子どもたちが自分たちの目的や目標を確認し,多様性を尊重することと勉強の動機を得る機会である.
  4. 運動会や学芸会と同様に,公の教育で行う妥当性はある.

子どもから親への感謝だけでなく,親から子どもへの双方向の感謝が生きていく上で大切である.たとえこの世に生を受けても,何らかの理由により10歳になれず,二分の一成人式を迎えることができない子どももいる.二分の一成人式に参加する子どもたちは無事に成長し,式に参加できた子どもたちである.ありがたいことではないか.

これから,子どもたちが,まだまだ知らない職業はたくさんあるし,これからも新しい職業が出てくるだろう.仕事や生活そのものが変わってしまう可能性も捨て切れない.生き延びるのが困難な時代を迎えるのかもしれない.それにもかかわらず,これからも子どもたちは,楽しみながら貪欲に学び,のびのびと成長してほしい.

父より.

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後悔しないための私的なメモ(小さなお子さんがいらっしゃる方へ)

後悔しないための私的なメモ(小さなお子さんがいらっしゃる方へ)

この10年強ほど心がけてきたことを書く。私的なメモであるため、共感いただくことや お役に立てることを期待しないし、ご質問を頂いても答えられないだろう。聞き流してほしい。


人は、いつか必ず死ぬ。 医療や技術の発展により、病気が減り寿命が延びているとはいえ、死ぬことは避けることができない。

人は、人と共に生きる。 特に大切な人と共に生活し、長い間を過ごし、自分と一体となるような状況になる。大切な人がいなくなることは自らを失うことと同義か、もしくはそれ以上である。

人は、いつ亡くなるかわからない。 明日はどうなるかわからない。震災の発生や事故や事件へ巻き込まれるかもしれない。ただ、ある日突然やってくる。

だから今日を生きる。 明日、後悔しないために、今日できることを一生懸命にやる。明日は明日の風が吹く。なるようになる。 そのため、このように心がけてきた:

  • 共にいる:失われた子どもとの時間は取り戻せないため、特に子どもが小さい時は、共に生活する時間を大切にする。私以外にも、たくさんの友達や同僚にもいるが、子どもにとっての親はあなたしかいない。仕事は変われるかもしれないが、子どもとの時間は変われない。
  • リスクを減らす:コントロールできないこともあるけれど、その中でもリスクを減らす。水の事故や交通事故の防止、体を冷やさない/鍛えることなど、できることを実施していく。
  • 近くにいる地震津波、犯罪や火事などが発生した場合、一緒にいたい。それは守ることになるかもしれないし、見守ることになるかもしれない。ただ単に近くにいたい。
  • 思い出を作る:子どもに残すのは思い出だけかもしれない。けど、楽しい時間を一緒に過ごすことは貴重である。
  • 楽しく笑顔で:今日で最後かもしれないと思うなら、小さなことで喧嘩しても仕方ない。笑顔で楽しく過ごす。
  • 感謝する:今を生きられるのはすごいことなのだ。存在が難しいのにもかかわらず存在するのは、ありがたいことである。

逆に私がいなくなっても後悔しないための取り組みもある。たとえば、楽しんで成長する7つの心がけ - ari’s worldを参照してほしい。

あれから11年経つ。これから10年は、子どもたちと、その子どもたちのため、ほんの少しでも手助けがしたい。ほんのほんの少しだけだろうけど、それでも もがくことぐらいはできるだろう。

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2016年12月18日記す