Title: 試験勉強や受験勉強についてのメモ Date: 2017/11/18
はじめに
私は受験勉強や試験勉強をしなかった(試験勉強のフリはある).ただ小学生のとき,図書室の本をほぼすべて読み尽くした.本を読むのと同じように楽しんで教科書や参考書を読んだだけで,試験や受験のために点を取るための勉強に興味がなかった.
しかし,この方法は,子どもを含め他の人には あまり効率的ではないようだ.試験勉強や受験勉強をどのように指導するのかよくわからず困っていた.
そこで,小学生の中高学年を対象とした勉強について この週末に話し合ったことをメモした. これから必要に応じてアップデートしていきたい.また,小学以上の中学生や高校生などの勉強についても,ある程度は参考になると期待している.
ここでは,実体験に基づく幅広い学びではなく,狭い意味での一般的な教育課程で学ぶことを勉強とした.なお,子どもへの説明時はすべて図や具体例を使って説明している.
動機(きっかけ)
- なぜ試験を受けるのかを考える
- 中間目標として試験や受験を考える
- 何を勉強するのか(参考:10年後や20年後でも通用することを学ぶ)
- 中間目標に至る道筋を考える(どのように勉強をするのか・何をしないのか)
方針(作戦)
勉強するための方針
- 勉強 = 効率(質) × 時間
- 同じ効率であれば,長い時間である方が有利.
- まずは時間の確保が必須.一週間の予定を明らかにして,どれだけ勉強できるのか調べよう
- 最初は時間を確保し,その中で効率を上げる方法を検討していく.
- 効率をどのようにあげるのかを,常に検討しながら進む
- 何をやるのかで増やすのではなく,何をやらないのかで減らすことを検討する
- 継続
- 最後まで諦めない 人が勝利を手にする.「諦めたらそこで試合終了」
- 継続は力なり たんたんと習慣にしていこう
問題を解く流れと勉強する流れ
- 問題を解く流れ
- 問題を読む
- 問題を理解する
- 方針/作戦を考える
- 問題を解く
- 確かめる
- 勉強する流れ(カリキュラムの構成)
- 解く上での前提となる知識を学ぶ
- 問題を解く方法を学ぶ
- 方針/作戦を考える方法を学ぶ
- 何が問題になるのかを学ぶ
- これが次のステップの前提となる.
基本と応用
- 基本がしっかりしていないと,それ以降の発展が難しくなるため,まずは徹底的に基本を身につける.
- 基本とは,足し算と掛け算を比べると,基本となっている足し算のことを示す.
- 基本を身につけるためには,繰り返しの練習が必要
- 応用問題を解いた後も,基本ができているかを確認する
勉強方法(効率/質)
- 基礎
- 算数/数学でも基礎が重要になってくる
- 基礎ができていないと,応用問題が解けないので,徹底的にやろう
- 毎朝,時間を決めて計算問題や漢字など,基礎となる箇所を徹底的に学ぼう
- 論理 :主に数学/算数,理科の考える科目
- 習っていることの関係性や構造(論理)を丁寧に理解する
- その論理を使って問題を解く
- 整理してわかりやすく解くため途中式をキレイに書く
- 論理立てて考えるため途中の式をスキップしない(最初のうちは式を飛ばさない)
- 間違えたところについて,論理の理解を深め,適用を修正する
- 論理の範囲(使えない問題は何か)を知る
- (ここで,論理とは ことばとことばの関係性を意味し,関係づけて考えることを論理的な思考と呼ぶ.ただし,論理的な思考は国語を含めた他の教科でも学べる)
- 理解 :社会・理科・漢字
- その出来事や文字が作られた背景や意味を想像しながら覚える(たとえば「関ヶ原の戦いでの裏切り」,漢字「和」の由来などを含めて)
- その出来事について議論してみる(自分だったらどうしよう)
- 読解 :国語
- 問題文の要約を一緒にやる
- 記憶 :社会・理科
- 何を覚えるのかを決める(要点チェック/プリント)
- 解答や教科書を見ながら,ていねいに正解を書く
- 正解を見ながら,丸ごと覚える
- 覚えた内容をノートに何回か練習する
- ただし,暗記すると考えることが減るため,できる限り暗記しない
- ノート
- 理解したことをていねいに書く(練習が必要)
- ポイントを押さえて書く(練習が必要)
- 空白を作って書く(たとえば,左半分は空白にするなど)
方法
勉強方法(時間)
- 計画
- 全体の計画を立てる
- 一ヶ月の計画を立てる
- 一週間/一日の計画を立てる
- 計画は目安なので,あまり気にしすぎない
- 息抜きも忘れずに
- 実施方法
- 一週間の計画を作る
- やりたいことのチェックリストを作り,それに従ってやる
- 実際にできたことをベースにチェックリストを更新する
試験前の一週間(一ヶ月間)
- 難しい問題を解かず,基本問題を繰り返す
- 自分の使っている教科書/問題集を決めて,他の教科書や問題集に手を広げすぎない
- 基本に忠実.基本を守る.
- 悩んだ時は,質問する/話す
試験やテスト
試験直前に
- 用意するもの
- いつものカバンにする(カバンを変えると忘れ物が増える)
- 鉛筆をきちんと削り,消しゴムもキレイにする
- 壊れたり落としても大丈夫なように,二つ以上用意する(例:消しゴムは二つ,定規は二つ,鉛筆は10本など)
- 温度調整できる服装にする
- マスクを用意して自衛する
- リラックスする
- 横になり伸びをする,肩の力を抜く(手足と体をぶらぶら),
- 目をつぶり,深呼吸する
試験中に
- 問題を開けた時に
- 全体を見て,点が取れそうなところを考え,そこから着手する
- 速度の問題の時はカブトムシを書くなど,大切なルールを確認する
- 読む:問題を正しく理解するために(問題理解)
- 線を引きながら問題を読む
- 図の問題は,求めるところに印をつける
- 何を求めているのか(時間なのか,速度なのか,単位は何か?)
- 図示する(グラフ,線分図,表など)
- 図の問題は,印をつける.
- 作戦:作戦を立てるために
- 問題が正しく読めれば,作戦は立てられる
- どの作戦がふさわしいかを確認する
- 解答を見て,論理の違いを理解する(解答が,最も良い作戦かは別)
- 間違えないために(算数/数学)
- 計算を始める前に,作戦が正しいのかを確認する
- 式の順番を(かっこ)でくくる
- 式をキレイに書く,途中の式をスキップしない(いきなり式を飛ばさない)
- 数字や式の途中に うつし間違いがないかを確認する
- できるだけ検算する(一番最後にやってもよい)
試験後に
- 分析と対策
- どこをどのように間違えたのか確認する
- 間違えたポイントを修正する方法/対策を考える
- 間違えたところを何度も解き直す
- 復習を大切に
- 学んだことは熟成の期間が必要である
- なんどもなんども同じ問題を解く
- 学んだところを,翌日,三日後,一週間後,一ヶ月後に見直す
おわりに
なぜ勉強するのだろうか.なぜ世界中の多くの国には,子どもたちへの教育を大切にしているのだろうか.今,勉強していることは未来に役立つだろうか.
先生や親から言われたから勉強しているのか.勉強はつまらないことか.
なぜ生きるのだろうか.なぜ苦しいのだろうか.
今までの人たちも同じように苦しみ,もがき,そして楽しんで生きてきた.そのなかで少しずつ進んできた.これから僕たちはどのような一歩を踏み出せるだろうか楽しんでいきたい.
参考図書・関係記事
参考図書
- いかにして問題をとくか (日本語) by G. ポリア G. Polya (原著), 柿内 賢信 (翻訳)は,古典的な名著である.要点を的確に記述してある.
- 受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫) by 池谷 裕二は,著者の考える脳科学で考える勉強方法について書いてある.私自身,公式を覚えないで問題を解くことが多かったので,九九を覚えてない著者に共感を覚えた(いや,公式など暗記してもいいと思うけどね…).
関係記事
- なぜ子どもは勉強できなくなるのか - ari's worldは,自宅での勉強について,調査結果についてメモした.ゲームやテレビとの時間と,成績との関係性がわかった.
- 楽しんで成長する7つの心がけ - ari's worldは,子どもたちとのやりとりにおいて,親や先生,上司からの心がけについて紹介する.
- チームの育て方(6):ダブルバインドとの戦い - ari's worldは,親と子,先生と生徒,上司と部下のように立場が違う時にダブルバインドを発生させやすくなる.
- 「透明人間が月を動かしている」 - ari's worldは,科学ってなんだろう.当時4歳の子どもとのやりとりを紹介する.
追記
書き忘れたことなど
- 2017年11月26日:基礎や基本が大切なのにも関わらず,あまり強調されていなかったので,その部分を追記し強調しました.徹底するぐらい,徹底して基礎や基本を鍛えましょう.