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あるかどうかわからないけど、あるみたい。ありがとう。

自分でゲームを作り楽しく学ぶ - ITと子ども

小学一年生の算数で苦手なところがあるらしかった。項が増えると、どうも間違ってしまうそうだ。学校でもたくさんのプリントで勉強しているとはいえ、単純に計算練習すれば、克服できそうなものだった。

ある巨大スーパーで算数の練習教材を見つけた。足し算から わり算までの四則演算を学ぶことができる一般的な教材だ。その値段は五千円近く、その機能でその値段は躊躇するところだ。表で一覧になっている問題のボタンを押し、答えの数字ボタンを押すと正解かどうかを判定するようだ。

自分でゲームを作って、遊べばいいんじゃない?

「じゃー、ゲームにしようよ」というわけだ。アイデアを出し、手を動かすのは子どもだ。パソコンを壊されたくないので設置をしたのと、ロジックなども手伝ったけど、基本的には子どもが作った。むしろ、手伝いしすぎと言われている。

10分間ぐらいのプログラミングで苦手だったところのゲームができた。正解すると、録音された自分の声で「できた〜!」と再生されるゲームだ。

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問題の中身を知っているので、出題回数の増減や、難易度の調整も簡単だ。自分で問題の出題回数を増やし、難易度を下げた。練習に対する方向性は間違っていないのだが、意味ないぐらいに難易度を下げ「(毎回が同じ答えになってしまって)意味ないね」とニコニコしている。

その後、算数の苦手なところのテストで満点を取ったよ、と報告を受けた。

それ以外にもキーボード練習や国語など、できないところ、苦手なところがあると、それをゲームにして練習している。そして、そのアプリが役に立ちそうだと思えば、簡単に公開して共有できるのも素晴らしい。

むろん弱点もある。その文字を紙に書くことができないことだ。計算をするときでさえ「きれいな字」で書けたことを喜びにしている。文字を書くことも一体になって練習することはできていない。しかし、単純練習や簡単な調査については、パソコンを使った方が簡単だ。メディアやデバイスを適切に選択することも大切なスキルだ。

現在は、苦手なところを見つける方法でやっているので、体系的な教材があるわけではない。あくまで学校教育のサポートという立場ではあるが、時間をかけてやっていきたい。夏休みは科学の実験をやったので、今度はモデルを作ってシミュレーションをベースにしたゲームを作ってみたら、現実とモデルの関係を実感できて面白いかもしれないと夢は膨らむ。

売っていた算数の練習教材は、問題の表を見る限り、彼女の苦手としていた複数の項には対応できないし、難易度を変えることもできない。創造性を育む良い制約もあるが、その教材の場合「そう」とは思えない(五千円も出して!)。そのような意味でも、この「自分でゲームを作って学ぶ」スタイルはいい。

楽しんでやっているようだ。