気持ちよいお買い物の話
メッセージが届いたのは、Kさんからだった
お買い物したとき、お店Aのサービスがスゴかったと、興奮のメッセージだった。
(Kさん)買いますた。テンション上がったー
そのあと、購入した商品のサイズなど仕様についての会話が続く…そして、
儀式、儀式!
包装のビニールのを切ったあとに「蓋はお客様が開けてくださいって」儀式を行ったようだ。新しい商品を買うときはワクワクする。そのワクワクを裏切らないのだ。
目がキラキラしててよろしい!
目がキラキラしている人は、本当にかっこいい。 Kさんにとってはすっかりイケメンらしい。
もう、やられた〜
えらく気に入っているのだ。
商品への愛情がある
領収書にも商品への愛情がいかんなく発揮される。なんで、その商品にこだわっているのかとKさんが聞くと…
その商品に触れたのは大学からなんだけど、そのスマートさに憧れて…
自分の経験を正直に実感として話した。
名前で呼んでもらえる
結局、通算で三人に相手してもらったけど、 名前の引継ぎもしてくれてみんなに名前で呼ばれる と、Kさん
ショッピングのときを思い返すと、店員から「お客様」って呼ばれることが多いような気がする。たまに「客」と言われ、それはないよなー、と思うことすらある。しかし、このお店Aでは、「Kさん」と名前で呼んでくれた。それが”始まり”なのだ。
負荷が高い状態になると、個人で回すことがしんどくなるので、複数人のチームで対応することになる。 その引き継ぎも自然でスムースだったらしいのだ。
仕組みも含めて「仕事ができる」という意味でも、イケメンでしたね。
「自分一人のため」にしない
(Kさん)そう、やっぱりオープンで、自分一人の手柄にしない人たちという印象
自分一人の手柄は、購入側もわかるし、やはり気になってしまうのだ。
商品が好きで正確にその良さに納得してほしいという思いが伝わってくるような。ただ感情的にじゃなく、分析した上で
そう、売り上げや手柄以前に、自分が欲するものであるのだ。結果としてお客様視点になっているというか…
これは、自分一人の手柄(エゴ)にしないし、(自分より)商品が好きで、(自分より商品の)よさを理解してほしい。つまり、自分のエゴを前面に出さないのだ。
競合のお店Bの話題になった
一方で、競合する立場のあるお店Bの話題になった。
- 買ったときに、ワクワクするような儀式はない。
- 名前で呼んでくれない。
- 作業を複数の担当者で分担しないから待たされる。
- 商品知識はあっても、商品についての愛情をあまり感じない。
- 自分の売り上げ目標なのか、自分ごとにしている。
全く正反対なのだ。特に、最後のふたつの愛情や自分ごとについて、強欲さやエゴの強さを感じるとしらけちゃうんだよな。
組織運営で何か違うのだろうか
(Kさん)何だろうね。あの世代ならではのオープンさ? それとも社員教育のうまさ?
なんだろうなー。いわゆる社員教育も大切なのだけれど、日常の業務でもそれが実現できる。
人事評価制度が違うのかもしれない
もしかすると人事評価制度が違うのかも、という話になった。あくまで、推測に過ぎないのだけれど…
- 店Aの人事評価には「お客様がニコニコして帰る」があるのかもしれない。評価は、個人の売り上げではないから、複数人で対応が行いやすい
- 競合のお店Bの人事評価は「個人の売り上げ」目標だとすると、必然的に自分(エゴ)が強く出てしまう。
どうなんだろう?会社の評価制度を調べてみたけど、よくわからなかった。
絶対的な自信が裏付けにあるのかもしれない
去年の秋に亡くなった師匠の一人からから学んだ大きなことに絶対的な自信というのがあるんだけど、絶対的な自信があるから、自分を出さなくていい。その師匠によると、自信は、文字通り自分を信じていることで、絶対的な自信があると、自我エゴや欲が前面に出てこないで、仕事や家庭を含めて人生をゆったりと楽しく送ることができる。
逆に、プライド(自尊心)は、自分自身の名誉や品格を維持しようとする心理であって、プライドが高いと、他人の評価を気にして、自分を良く見せようとしなくてはならない。その結果、他人をうらやましがったり、物事を見極めることができず、「器」が小さくなってしまう。
そんな感覚に素直に飛べるのか?
うん、確かに難しい。ただ、恋愛も仕事も—というほど、わかっていないけど—同じかもしれない…
受け入れられることと、居場所って重要だね
(Kさん)恋愛とか仕事もそうだけど、受け入れてもらってる感じ、とか居場所感ってすごく重要。 当たり前のことだけどそう思えて、そうしたら、居場所を快適にするっていう観点で、さっきのエゴレス的心境の今日この頃
このあと受け入れてもらう話を続けている。Kさんは、ちょうど今現在仕事も家族でも受け入れてもらって、とてもいい状態にいるようだ。
いつも思うんだけど、子どもに「もー、これもできないの?こうしなさい!」って接しても、まったく意味ないよね。結局、叱られる、強い批判的なフィードバックをもらうと、どんな人でも自分を守りたくなる(エゴが強くなる)。逆に、妙に盛り上げ、アジテートされて、上の空になってしまう。地に足がついていないというか。これが、競合のお店Bの状態なんだろうなぁ。
そう、エゴやプライドを感じるフィードバックをもらったときは、丁寧にお礼して無視するのが一番だというのを学んだ。うらやましがられて、足を引っ張られちゃうからね。
(Kさん)そう、不安感がベースの職場でいいパフォーマンスはないね。どうしても言い訳もしたくなれば、ごまかしもしたくなる。
そういえば、「おまえのスキルが低い!」「こんなんダメだ」と言われたあとに、原因を分析しても単なる言い訳になってしまう。それより「この部分はスゴいよね、ありがとう」「来てくれてうれしいよ」「こんなところに悩んでいる/困っているんだ、一緒に考えない?」とか話してくれると、やっぱりうれしいよな。
お店Aはどんどん相乗効果で上がる正の循環、競合のお店Bだと負の相乗効果に拍車がかかる。
そう、私も同じ経験をしている。結果は大きな違いになってくる。
ただ、いいパフォーマンスを出すための本人の能力の高さも問われるけどね。
全くその通りだ。
チームとしてのリーダーシップって大切だね
子どもも「お父さんの役に立った」と思えばうれしいし、こちらもありがたい。 同僚(部下)も「役に立った」と言われれば、うれしい。
けど、いろいろな人の能力を使っていないというマネージャ(リーダーや経営者)が多すぎる気がする。 能力を発見する(気づく、人を見る)力って大切だよな。
自分(エゴ)が強すぎると、気づく力もあえて弱めちゃうね。
「個」をゆるめる話から、自立の話に…
このように、自分をゆるめる話は、読者のみなさんがよく目にしているカテゴリのお店のだったけど、経営でも技術でも、同じようなことが言えるだろう。
この後、自立の話が深夜まで続いたのだけれど、大切なので気が向いたら書きたい。
そして、ブログへの掲載を快く許可とご協力していただいたKさんに心より感謝!