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あるかどうかわからないけど、あるみたい。ありがとう。

マトリックスは面白い The Matrix is ultimate!

マトリックス・アルティメット・コレクション 〈10枚組〉 [DVD]

マトリックス・アルティメット・コレクション 〈10枚組〉 [DVD]

このマトリックス・アルティメット・コレクションがアマゾンで半額になっていたので購入した。思いのほか面白かったので、感じたことをつれづれなるままに。
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B0002Y69NG/
映画のマトリックスシリーズが好きである。しかしながら、今まで好きな理由をうまく表現することや意見を共有することがあまりできずさびしい思いをしていた。今回の The Roots of the Matrix というディスクでは哲学者や歴史学者や技術者が解説している。認識の違いはあれ、同じようなレベルで考えていた人がいてとてもほっとした。
ポストモダンとかグノーシス主義とかニーチェの超人論であるとか(常識だと考えいる人もいるかもしれないけれど、私にとって)たくさんの知らなかった視点がありました。たとえば一生涯 牢獄で生まれ育った人が自分が牢獄にいるかは認識できないなどの考え方が紹介されて面白かった。今まで教科書でしか知らなかったニーチェがどのように考えていたのかを知ったりもしました。ただ適切な表現が見当たらなく、たとえば村上春樹さんの「井戸を掘る」という表現が近いのかもしれませんけれども、もっと深く考えてほしかった。
私自身が感じた視点としては、脳神経学的な考え方や仏教や東洋的な考え方や視点がほしいなと思いました。自分の理解の中では、身体イメージや認識の中で何が現実で何が仮想であるか、という区別はない。ただこれは現実と考えたほうがしっくりくる、というだけである。つまり、現実の世界と自分が認識している世界というのは大きな隔たりがある(むしろ、また隔たりがあり自分が予測(思い込む)ことによって 逆にうまく現実とやっていける)と思う。
仏教の輪廻というコメントがでてくるけれども、輪廻の世界観よりもっと適切な世界観があるのではないだろうか*1。またせっかくアニマトリックス曼荼羅が出てくるのだから、このコメントもほしい。正しい認識ができているかは説明できないけれども、具体的には華厳経や般若心経や曼荼羅に出てくる考え方やのほうがどうもしっくりくる。
ウォシャウスキー兄弟自身のコメントも載っていない。これは彼ら自身の考え方を述べることによりとらえかたを固定化することを避けたい、という意図もあるようだ。確かにいろいろ考えるのは楽しい。キアヌ・リーブスに脚本を読む前に読んでほしい本として三冊の紹介があった。
Out Of Control: The New Biology Of Machines, Social Systems, And The Economic World

Out Of Control: The New Biology Of Machines, Social Systems, And The Economic World

Introducing Evolutionary Psychology (Introducing (Icon Books))

Introducing Evolutionary Psychology (Introducing (Icon Books))

Simulacra and Simulation (The Body, In Theory: Histories of Cultural Materialism)

Simulacra and Simulation (The Body, In Theory: Histories of Cultural Materialism)

ひとついえるのは、マトリックスは面白い、ですね。

*1:そもそも、輪廻って仏教の考え方なのか、というのも自分の疑問ではあるのだけれど、これについては別途