ari's world

あるかどうかわからないけど、あるみたい。ありがとう。

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

masanari2005-04-06


「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

自己と自我を確立し、楽に生きることとはどのようなことかが、村上春樹さんのいいたいことのひとつではないかなと勝手に思っています。生まれたからのにはいろいろな苦しみがあり、それを抱えながらも どのように自分の中に抱え、克服していくのか。
日本でも、戦争によって悪いように利用された反動だと思いますけれども、宗教や教育が担うべき部分が欠如しているようです。いろいろと、ある程度は機能していますが、ある程度は「ちゃんと救う」ことができていない部分があるように感じています(ある意味当たり前で仕方のないことなのですが……)。その結果、逆にカルトと呼ばれる宗教に依存してしまう人たち、たとえばオウム、も出たのかもしれません。
村上春樹さんは。この欠如した部分を小説という形で埋めようとしているのかもしれないと私は思っています。一般論(理論や理想、真理)は原典を読んだり、話を聞いたり、いろいろな方法でそれなりにわかります。しかし、われわれ(少なくともわたし)が必要とするのは現実の日常の「解」なのです。たとえば、疲れたり、傷つけられたり、仕事を選ぶ、家族を作る、生活するなどなど 日常の世界に生きています。そのとき、どうすればよいのか、を知りたいです。つまり、真理と日常をどのように結びつけるのか、を小説という形をとって述べている、いや、それを試みているように感じます。より明確に、よりわかりやすく、よりシャープになってきていて、とても面白いと感じました。
みなさんはどのように感じますか。

以前に引き続き*1自分の言葉ではうまく表現できないようで申し訳ないです。少しずつ、少しずつ。